ブログ

縁起物として人気の柄「矢絣(やがすり)をご紹介

執筆者 | 2023年7月15日 | ブログ, 振袖

皆さま、矢絣って聞いたことありますか?

柄を見ると「知ってる、知ってる」と思う方も多いと思います。矢羽根をモチーフにした日本で古くから使われている絣織物のことです。
矢絣は、桃山時代に武士の着物として用いられるようになり、江戸時代後期以降は縁起物として使われるようにもなりました。
昨今では卒業式の袴やレトロな着物コーデで目にしたことも多いと思います。

矢絣が縁起物とされている理由はなんでしょうか。

矢絣に「破魔矢(はまや)」の羽根が描かれているため
破魔矢とは、初詣の際に神社から授与される矢のことです。「不幸を取り払い 幸せを射抜く」という意味があるため、矢絣自体も縁起物とされるようになったと言われています。

また矢を射ると真っすぐ前へしか飛ばす、戻ってくることがないためこの理由から、結婚の際には出戻りせずに幸せに過ごしてほしいという願いを込めて、矢絣の模様がついた衣服や小物が縁起が良いと考えられるようになりました。

今の時代、生き方は多様性が重視されていますから上記の結婚への意味づけは昔の女性がどのような生き方をしていたかこのような意味づけからも推測できますね。

矢絣柄は、明治時代から大正時代頃にたくさんの女学生が学生服として着用していました。
この時も、「卒業後は、後ろに戻ってくることがないように」という考えが影響し、矢絣柄を着用したといわれています。女性の幸せを願うだけでなく、そのレトロな見た目も人気の秘密です。

現代で意味づけをするなら 前向きに前進する凛とした女性に成長する願い、と言う意味がふさわしいのでは無いかと思いますね。

矢絣は主に女性が着用するイメージがあるのですが、実は男性にとっても縁起の良い柄です。
真っすぐ前へ飛んでいく力強い矢は、魔よけの効果がある、
矢には男の子が健やかで たくまく成長するようにとの願いなどが込められていました。
こうしたことから、端午の節句を祝う着物には弓矢や矢絣柄が入ったものもあります。

昔から続く縁起の良い柄を 男女問わず現代の解釈で思いを重ね着用いただくのも素敵です。